奄美鶏飯とミキ  

鶏飯(けいはん)

鶏飯(けいはん)は、鹿児島県奄美大島の郷土料理です。

奄美空港のある笠利町(現在は合併で奄美市)で、400年程昔に、薩摩藩の役人をもてなす為に誕生したというのが定説。

蒸しささ身を裂いたもの・煮干し椎茸・錦糸玉子を定番の具として、地鶏のスープと、干し椎茸のもどし汁に酒と淡醤油で薄味をつけた熱々の汁をご飯に張って具を乗せて食べます。

非常に品の良い味でかつ深みもあり、大変美味しい料理。


鳥しんの奄美鶏飯セット

昔の料理とは思えない完成度

味もそうですが、この料理は全体的に完成度が高くて、定説の薩摩藩の役人ウンヌンは少し信じ難い思いを持っています。

色々な料理を見て来ましたが、味・仕上がり姿のトータルバランスの出来は特別なレベルにあると言わざるを得ません。

そんなに昔の料理とは考えられない部分が多いんですよ。比較的近代に出来上がったという気がしています。
(当然改良は何度もあったと思いますが、鶏飯という料理のテイストそのものが「あか抜け」しておりまして、戦国や江戸初期に南海の孤島で誕生っていうのは料理人としてどうなのかと考えてしまうだけです)

繰り返しになりますが料理としての完成度の高さは驚くべきもので、地方の郷土料理のレベルを超えた全国区になってもなんら不思議ではない完璧な料理だと思います。

舌の確かな方で、まだ鶏飯を食べた事が無いという人は必ずや一驚するに違いありません。

なにしろこの日本で唯一、まともな食材で正しい食事をし、すなわち本物の舌を持つと考えられる天皇陛下が、その美味さに、おかわりをしたという逸話もあります。この話は伝説ではなくてたぶん真実でしょうと、そう思ってしまう料理です。


奄美鶏飯-けいはん【おいしい+けいはん亭】

奄美のミキ

大昔の話ですが、名瀬市(当時)郊外にある「やぎ島」から、沖に浮かぶ見事な富士山型の小島である「立神」を眺めたことがあります。左手には名瀬市が見える。今でも鮮明に憶えておりますなぁ何故か。

鶏飯以外に記憶に残ったのは、「みき」という不思議な飲み物。甘藷の甘さを引き出した子供向けの冷たいドリンクとでも言いましょうか。ありえない程のドロドロ感があり、ちょっと他でみられない珍しい食品。

さつま芋、米粉、砂糖を煮溶かして冷しただけのものですけども、これが何故か美味いのですよ。
栄養価は高く、まさに暑い地方の子供向けの「おやつ」

「唐芋(薩摩芋)と、発酵かぁ。沖縄と鹿児島の中間に位置する奄美だから生まれた食品なのかも」

食も含めた「文化」そのものは、琉球(沖縄)とほぼ同じであり、本土(鹿児島)とはあまり関係ないように感じました(その当時の感想で今は分かりません)

数十年ぶりに奄美に行きたいなぁ、と思うこの頃です。

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