長崎の料理  

長崎の食材と料理

長崎のイメージは「九州の横浜」でしょうかね。
時代は様変わりしましたけども、昔は確かにそうだった気がします。

「文明開化」外国への扉って事では横浜よりも先行してますし、当然料理にもそれが色濃く反映しています。

なにしろこの県の海岸線は半端ではなく、総面積に対しての港湾の多さは間違いなく全国一でしょう。港の国・海の国ってわけです。

太平洋の反対側に位置する長崎は黒潮ではなく、暖流の対馬海流に洗われておりますから魚相は多少変わりますけども、海の幸も豊かなものでして、「九州産」の札があればそれは「長崎で獲れた魚」という事が多いです。


長崎 絶品魚の数々

卓袱、カステラ、ちゃんぽん

卓袱料理(しっぽくりょうり)という宴席(会席)料理がありますが、これの別名は「和華蘭料理」。この名前に特徴が出てますね。

残念ながら敷居の高い料理になってしまい全国に広がる事はありませんでしたが、関西ではこの料理を元にした「卓袱うどん」なんかが作られています。最後に紹介する東坡煮も角煮の原型として全国的になりました。


創業慶応二年・吉宗(よっそう)の角煮

中国福建(華)からの「ちゃんぽん」、オランダ(スペイン)(蘭)からの「カステラ」は完全に一般に定着し、カステラなどは郷土食の範疇を超えて「全国の菓子」になっていますので、食文化の入り口だったのは揺るぎない事実。



こじまのちゃんぽん、皿うどん


異人堂 長崎カステラ

土着か異国由来か

カステラと異なり「郷土」の色彩が濃いサツマイモと餅米からなるカンコロモチ。


かんころ餅

見た目の艶やかさで和食でも時々作る事があるのが「大村ずし」。
大村市の伝統料理で飯と白身魚や野菜などの具材を交互に重ね合わせた押し鮨。

表面の錦糸卵が鮮やかなこの料理は500年もの歴史があります。 会席料理の凌ぎなどに華やかで使い勝手が良いので全国の板前が作りますからこれ専用の押し箱も意外と簡単に入手できるんですよ。


大村ずし

島原地方の郷土料理「具雑煮(ぐぞうに)」


具雑煮

ハトシ(蝦多士)というエビのすり身をはさんだパンを揚げる日本では長崎にしかない料理もあります。
広州の料理らしいですね。

食文化の玄関

さて今では長崎だけじゃなく各地にある「ちゃんぽん」ですが、複数のものを混ぜるの意で古くから使われる言葉ですけども、沖縄方言でも「混ぜこぜにした」はチャンプルー。

長崎のちゃんぽんと沖縄のチャンプルー、あまりその共通点を書いている書を見た事がありませんのですが、これはどう考えても源流は同じではないかと思います。それは多分中国福建語の「混ぜる」を意味する語がそのまま伝わったのではないか。

先ほどの卓袱料理には「琉球宮廷料理」と共通した部分が幾つかありますが、なかでも中国・浙江省の料理「東坡肉(トンポォロウ)」。

これが沖縄に伝わり宮廷料理の「ラフテー 」に、鹿児島では「とんこつ」に、長崎では卓袱料理の東坡煮(とうばに)に。これらが「角煮」の原型です。


坂本屋東坡煮(豚角煮)

ともかく、食というのは「文化の交流」だったというのが、長崎の料理をみるとよくわかりますね。







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