筑前煮と辛子明太子  

辛子明太子

福岡を代表する食と言えば「辛子明太子」、「水炊き」、また「博多ラーメン」も名高いところです。


明太子

明太子のルーツは韓国釜山の惣菜「たら子の塩辛明太(ミョンテ)」(現地の日本人たちはメンタイと称していた)で、釜山で幼少期を過ごした「ふくや」の創業者川原俊夫がミョンテをベースに独自の方法で日本人向きの味にした「味の明太子」を開発、中州市場の店で1949年から売り出したもの。


味の明太子ふくや

この日は「1月10日」でして、日本で最初に辛子明太子が店頭に並んだ記念日とされ「明太子の日」ともなっています。

(一方下関では同じく韓国の「明卵漬」(ミョンナッジョ)から前田商店の前田一男が和製のからしめんたいを1961年頃独自に開発している)

川原氏は「味の明太子」の製法を特許も取ることなく、作りたい人には喜んで製法を教えたと言われてまして、そうした事もあり「ふくや」は現在まで明太子の始まった店という名を確固たるものにしています。

(どちらが元祖なのかの論争はしない事にしているそうです)
どちらにしましても75年の山陽新幹線の博多乗り入れで博多の辛子明太子は全国に広まった様です。

筑前煮(がめ煮)

沖縄から九州と北上して料理をみてきたんですが、ここで面白い事に気がつきます。

福岡を代表する料理といえば上にあげた品よりも『筑前煮』ではないでしょうか。少なくとも料理に携る頻度が高い日本人にとっては間違いなく筑前煮だと思います。

この筑前煮、ご当地では『がめ煮』と呼ばれています。

文禄の役で朝鮮出兵した兵隊がスッポンを焚いたのが始まりで亀煮から「がめ煮」になったいう説もありますが、信憑性が高いのは博多の方言「がめくり込む」が由来であるという説です。

この「がめくり込む」の意味は「寄せ集める」といったようなもの。つまり長崎の「ちゃんぽん」や沖縄の「チャンプルー」に少し似た意味があるのですよ。

「面白い事」と言うのはその料理名称の類似性ではなく、「違い」です。

長崎あたりまでは(沖縄=東南アジア)の色彩が強く残る郷土料理が多かった。ところが福岡の料理は韓国中国に近いにも関わらず非常に「和食性」が濃いんですよ。その典型が『筑前煮』です。


筑前煮

チャンプルー、ちゃんぽんと多国籍風な料理が、同じ意の「がめ」では完全に和風になってる。

もしかして福岡は『和食』の交差点というか分岐点というかそんな意味合いもある土地なのかなと、流し物料理を重層模様の『博多』に作りながら思ったりします。







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