【レタス】チシャ(萵苣)、山くらげ、ステムレタス、ロメインレタス  

【レタス】チシャ(萵苣)、山くらげ、ステムレタス、ロメインレタス

和食材料
チシャ(萵苣・苣、チサ)=レタス

レタスのイメージはハイカラなものがあり、比較的新しい野菜と思われがちなのですが、実は大変に歴史の古い野菜で、日本でも奈良時代以前から利用されていました。例えばホウレン草の別名を赤ジシャ、フダンソウは唐ジシャ、エンダイブはオランダジシャ、などと呼ぶのはチシャ(レタス)がいかに古くから日本に定着していたかを表しております。

和食では「ちしゃとう」をよく使いますが、これは一手間かけた料理にします。

ちしゃとう/茎ちしゃ

これには和食ならではの深い意味合いがあり、それはレタスの歴史に関わりがあるのです。それを説明して行きましょう。

レタスはキク科アキノノゲシ属の一年草・二年草。
地中海からアジアにかけて自生していたものが地中海地方で栽培され始めたのがおよそ5000年前。これが西と東に伝播します。野菜として改良進化をとげたのは西欧で、東の中国に伝わったのは7世紀以前頃と思われます。

中国には「カの国」から伝わったとされ、カの苣(レタスの意)と呼ばれ、萵苣(わきょ)の字をあてています。同時期に日本にも伝わっており、古書に萵苣の字が散見できます。

切り口から乳のような白い液が出る事から「乳草」と呼ばれていた様で、このチチクサがなまって「チサ」となり、それが「チチャ」と落ち着いたのが平安時代ごろ。以来レタス/萵苣の和名は「ちしゃ」になりました。

※この白い液はポリフェノールの一種『ラクチュコピクリン lactucopicrin』
レタスの語源にもなっている。ラテン語のlactuca「牛乳 lac」
ラクチュコピクリンには「鎮静作用、催眠促進」の効果があり、昔は粉末にしたレタスを鎮静剤として利用していた。この事からレタスを食べると眠くなるという話もあるが、俗説にすぎず、食べれる量のレタスが人間にそのような影響を与えるとは考えられない。


レタスの種類

レタスは主に四種類に大別できます。
★1 結球する玉ちしゃ(クリプス型とバター型)
★2 葉ちしゃ
★3 掻きちしゃ
★4 茎ちしゃ

1 玉レタス(玉ちしゃ)━ヘッドレタス (L. s. var. capiata)

クリスプヘッド型-レタス

一般にレタスとはこれを指す

バターヘッド型-サラダ菜

結球がゆるいが歯ごたえが良い


クリスプヘッド型-玉レタス


バターヘッド型-サラダ菜

結球するクリプス型の玉レタスをレタスと呼び、バター型をサラダ菜と呼んでおりますが、これは日本独特のもの。

2 葉チシャ・縮緬ヂシャ━リーフレタス (L. s. var. crispa)

結球しないレタス シルクレタスなど
プリーツレタス・グリンカール・サニーレタス
サニーレタスのヒット以前は日本での栽培は殆ど無かった。
※サニーレタス、プリーツレタスなどは商品名であり品種名ではない


グリーンリーフ


サニーレタス

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3 掻きちしゃ━カッティングレタス (L. s. var. crispa)

ステムレタスの一種で日本古来の種。
株の生育にあわせて下葉を掻きとっていくのでこの名がある。

赤掻きチシャ 紫系
白掻きチシャ 灰緑色

日本人に古くから親しまれた種だったが(味噌和え、おひたし等)、戦後他のレタスに押され一時完全に消え去った。しかし焼肉ブームなどの影響もあり、サンチュ(包み菜、包菜-パオサイ)などでなんとか復活している。


サンチュ

4 茎ちしゃ━ステムレタス(L. s. var. angustana)

茎/ステム (stem) を食べるレタス。セルタス、アスパラガスレタスとも呼ぶ。
「ちしゃとう」はこの種になります。
結球せず「とう立ち」させて利用する茎レタス。
この場合のトウは(とう/花茎)ではなく、長く伸びた主茎を指していて、皮を剥いて食用にします。

ちなみに、ちしゃとうの旬は5月~10月。
夏野菜レタスとほぼ同じ時期です。
中国料理でも使うが、和食でも結構使う食材です。和食の場合、【ちしゃとう】。チシャトウの漢字は「萵苣薹」、中国では「萵笋」です。

レタスと同じ夏としましたが、早春から出回ります。
これを剥いて乾燥させたものが【山クラゲ】で、水で戻して使用します。

また、日本ではあまり栽培されていないがアメリカで多い結球性レタスがあり、シーザーサラダに使うコスレタス(ロメインレタス)と言います。これを、
立ちちしゃ━コスレタス (L. s. var. longifolia) と呼びます。

玉型ではなく白菜型の結球が特徴。
ホワイトコス・ジャイアントコス・パリスアイランドコスなどの品種があり、これは原産のエーゲ海コス島に因んだもの。


ロメインレタス

レタスの区分の仕方としてはリーフレタス、ヘッドレタス(クリプス型・バター型)、ローメインレタス、ステムレタス(ステムとカッティング)の4変種6型とできるでしょう。

クリスプヘッド型の玉レタス(玉ちしゃ)がレタスの代名詞になったのは1960年以降の話でして、それ以前は掻きちしゃを加熱調理するのが日本人の利用法でした。サラダレタスが古来のカキチシャを駆逐し、料理形態も変わってしまったのですが、古い名残りが今も伝わっているのが面白い事に沖縄でして、汁物の具にしたり、加熱して食べている様です。レタスの栄養は非常に優れていますので、「量を食べれる加熱調理」は注目なのですよ。(ビタミンを破壊しない温度ならですが)

セルタス(ちしゃとう)を和食で多用するのはね、『温故知新』なのです。
もちろん「仕上がりが美しい」って理由もありますが、チシャは古代日本より伝わる由緒ある野菜なのですよ。古の掻きちしゃを踏まえ、和では新顔のステムレタスにつなぐ。

そしてその伝統の食べかたは加熱調理です。そこを意識した調理法が板前には求められるのです。色々ありますが、湯がいて緑を出し、味噌床や糠床に漬け込む技法などは単純ながらもっとも和食らしく、そして栄養も破壊しない理想的な調理法法と言えましょう。※酵素のみを破壊する加熱をしたいものです。

加熱温度と栄養については
関連記事:萵苣の驚異


チシャトウ〈クキレタス〉

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山くらげ

チチャトウ/茎ちしゃ(ステムレタス)を細く切り乾燥させたものを『山くらげ』と言います。

別名「貢菜」で、清王朝の皇帝に献上されていた食べ物だからですな。茎の皮を剥いて白茎は青果として、しまった青い茎を加工します。

乾物ですので水で戻して使用します。主として漬物などにしますけども、和食では利用する場合は煮しめて使う事が多いです。

山くらげの煮物


山くらげ


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