和食材料

食酢の歴史はおそらく酒と同じくらい古いと思います。
記録では7000年前のバビロニア、日本への渡来は5世紀となっておりますが、実際には酒と二人三脚であり遥か昔から存在していたのではないでしょうか。酒と似た原理で酢は出来るのですから。

そういうわけですから、基本的に酢の原料はその国の酒と同じ原料になることが普通です。日本では米酢になり、イギリスでは大麦、フランスではブドウという具合ですね。

食酢は「醸造酢」と「合成酢」に大別できます。
料理に酢を加える場合、大半は「酢の香り」を利用するため、香りがほとんどない合成酢はあまり使いません。合成酢の場合は香りというよりも刺激ですから。
下ごしらえとか、骨を柔らかくするとか、香りを目的としない使用であっても、やはりあのキツイ刺激を食材に残したくないので料理人は避けるのです。

「酢の香り」という表現には「酸味をつける」という意味も含まれます。爽やかさを出したいのですね、料理に。

「ほのかに香る、まろやかな酸味」
これが理想になります。

これを日本料理で表現する場合、「米酢」が一番。
もう少し「コク」を加えたい場合は「粕酢」を使用します。
粕酢を「シャリ酢」にしている寿司屋もあります。


純粕酢

米酢の中で一番おすすめできる銘柄が「千鳥酢」です。京都の老舗『村山醸酢』の品物です。

酢の「よしあし」は少量を直接飲んでみる事で分かりますが、千鳥酢は一般の米酢とは明らかな違いがあります。

大手メーカーが千鳥酢の味を真似できない理由は、材料(米)の厳選と、昔風の仕込みにあるでしょう。要するに「コスト優先の大量生産」では造れないのだと思います。


千鳥酢


黒酢

やはり米酢であり仕込みにも時間をかけている鹿児島の「黒酢」
良いものだとは思います。

ただ、製造工程などから割高になるのは仕方ないと思うのですが、「黒酢は健康に良い」と言われだしてから値段が高騰。

そのせいで、もう料理に使うのをためらう程の価格になってしまいました。「料理酢」としてふんだんに使うには無理があり、「特別な理由」がある場合のみの使用になりますね。

どちらにしても、アレはもはや調味料ではなく「サプリメント」

(自分が知るかぎりにおいて、酢の健康効果というのは科学的に証明されていません。優れた調味料としての位置を捨て去り、妙な流行に乗るのも結構ですが、【流行りは廃り】と申します。いつかきた道。将来せつない事になるのかも知れません)

だからと言って「色だけ黒くした即席黒酢」を使うのはナンセンス。安くはなるが米酢よりも割高。典型的な「人気便乗商品」だと思います。原材料や製造工程を見れば、薩摩の黒酢とはまったく別のもので、たんなる「穀物酢」だと思うのですが。

黒酢を調味料として使うなら、このへんがおすすめです。


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